2019年7月21日日曜日

Ultra Trail di Corsica③

第7エイドのVerghjuを出発して、10分くらい休憩したからか、身体が少し動くようになった。ここから後半が始まる感じ、50番とか全然満足出来ないし、もっと順位を上げたいと思いながら平坦で走りやすいシングルトラックを走る。左手には雄大な景色が広がっていて、ずっと山の中腹をトラバースして進んでいっている感じ。昼の1時を過ぎてかなり暑い。平坦な走りやすいところなので淡々とペースを刻む、でも走りにはバネは無い。
前に走りが重そうな選手が出てきて、後ろにつくけどよける様子がないので、事前に調べておいた、通してくださいってゆうのを、フランス語でピュイ ジュ パッセ??と後ろから声をかけたら、通じたのか、何か返事されてよけてくれた。でもずっと後ろをついてくる。ストック着きながら走ってすぐ後ろをついてくるし、かなり疲れてる様子なので、もし自分のアキレス腱を誤ってストックでつかれないかめちゃくちゃ心配になった。冗談ではなく本当に心配になった。しばらく走っていたらどうせ離れていくだろうと思ったけどずっと着いてくる。近いのでちょっとストレス感じるなと思いながら進んでいたら一本道のはずなのにマーキングが出てこなくなって、自分の時計のナビゲーションをみたらコースから離れているよう。止まって、エキュスキュゼモアって言って、後ろの選手に ノン ディレクション とか言ってこっちじゃないと思うみたいに言って、引き返すことにした。
100mくらいもどったら山側に小さく登っていく踏みあとがあって、上にマークがついていた。後ろの選手をロストさせてしまったので、何度も誤っておいた。そこから登りに入って、その選手の方が疲れていると思っていたけど、自分より全然元気なことがすぐわかった。ガタイがでかくて、どう見ても僕の方が身体絞れてて速そうなのに着いていけない。すこしずつ離れていって、頑張ってついていくけど、頑張りようもむちゃは出来ないので、省エネしながら頑張る。暑い。エイドを出た時の新鮮な身体の間隔は全くもう残ってない。でも止まることは出来ないので粘ってその選手に着いていく。
時折僕に振り向いて話しかけてくる。あこへ次は登るんだ、でも一つ目はこの山でここは楽だけどな、みたいなことを言っていた。あこへ行くんか。。。。って遠くに山が見えて、うわって思う。正直余裕がない。淡々と進む。
前の選手が、何時間を目指しているんだってユアゴールタイム?みたいなことを聞いてきたので、英語で、22時間を狙っていたけど、正直今の状態ではゴール出来ないと思うって伝えた。あなたは?って聞くと24時間て言っていた。24時間なら行けると思う、あなたなら出来るって答えた。
でも今ブログ書きながら思うけど、第7エイドで予測タイムどおり来てたのに、なんで自分は目標の22時間は無理やって、この時点で判断してたんやろうか。たぶん、残り半分あるのに全然余力無くて、平坦も歩いてはいない程度の走りしかできひんかったからやと思う。

そこからさらに暑くなってきて、順位上げたる!とかの野心とか、全然そんなどころでは無くなってきた。僕らの前に、僕よりフラフラで、こいつはもうアカン状態やなって選手が歩いている。僕らが抜いても全然着いてくる気力も無い。顔もめちゃくちゃ疲れている。わかるわ、自分もどっちかってゆうたらそっちやわって思った。
その後またまっすぐ進んでいたらマーキングが無くなってきて、それやのに僕の前の選手はそのまま進んでいく。かなり離れて前にいたけど、時計のナビゲーションからも、これはロストやろって思ったので、エキュスキュゼモアって何回も大きな声で呼び止めてディレクションイズヒアーって、とりあえずの英語で言った。また山側のかなり上のほうにマーキングがある。そこまでの道は見えないけど、どっかで見落としたんやと思う。その選手もわかったみたいで、戻ってきた。さっきのフラフラの選手が僕らが向かう先へ向かってきていたので間違いないみたい。
そこから、元気なガタイのいい選手には着いていけなくなって離れて行った。
ああ、あいつは24時間でゴールして、自分は25時間か?とか弱気になってくる。




キレは無いけど、とりあえず進まないとと、平坦になればストックをついてかすかなjogをする。めっちゃ遅い。全然進まない。


だらだらとしか進めないけど600mなんとか登って、進んだら綺麗な湖が見えた。
これからこの湖の右側を通って進んでいく。
左手には今まで進んできた山が見える。


写真を撮っていたら、とゆうか疲れていたのもあるけど、2人に抜かれた。一人は2つくらい前のエイドの前に抜いた選手。追いつかれたんや、、だいぶとペース落ちてるしなあってまた弱気になった。その選手も疲れているけど、走れるところはしっかり走っている。僕も合わせて遅いけど脚を動かす。なんとか前に進まないととjogする。

湖を越えると、第8エイド、71k地点のNinuに着いた。ずっと先を行っていると思っていたガタイの良い選手もまだエイドにいた。予定タイム15:40、到着は15:50やった。とりあえずコカシルブプレって3回くらい言って、コーラたくさん飲んで、オレンジとバナナを沢山食べた。そうこうしてるとガタイのいい選手は出発。さっき抜かれた二人は椅子に座っている。僕はほとんど椅子に座らない。ここでも座らない。座って一息したら気持ちが抜けてしまいそうに思う。エイドのボランティアの人がジャポネ?カワサキー!って喜んでいる。僕もカワサキー!って言ってテンションを上げて(上げたつもり)応える。
ゆっくりしてられないので、身体は重いけどとりあえず前を進まないとって思ってエイドを出た。
次のチェックポイントBocca a Sogliaまでは12kで750m登る。結構きついやんかって、しかも次はエイド無くて次のエイドまで15kくらいある。約3時間近く補給できない。大丈夫かなとか思ってしまう。

一面草原で、まっすぐに真っ平な2本道がある。ひたすら脚を動かす。後ろ来てるかなとか思いながら、振り向いてもしゃあないから振り向かない。馬がいる。競馬に出てそうな速そうな馬。この馬は飼われてるのか?でもどうやって捕まえるの?野生の馬??とかハテナが解決されないけど、そのまま進む。
全然バネが無い。めっちゃ遅い。そりゃ前のhokaの選手に何時間も差がつくわって情けなくなる。ほんまは10位くらいに最後すべりこんで、この日本人やるやないかってコルシカの人に思わせたろうってこのレースの計画していた時密かに思ってたけど全然検討違いやんて思う。段々山に近づいてきて、また段々岩が増えてきた。上にしっかりした山小屋?ペンション?みたいなのが見える。近くにエイドの予定は無いから関係ないのはわかってるけど、もしかしたら人いっぱいいるし、なんかくれるのかなって思ったら、山小屋のほんまの近くを通るけどなんにも無かった。利用者は川で水浴びとかしていてめちゃくちゃ羨ましい。だれか俺に水とかくれよって思ったけどそんなサプライズは無い。
山に進むトレイルには沢があって、だんだん近づいてきて、これは冷たい水が飲めそうな気配がしてきた。そしたら沢の上で水浴びしていて人がどっぷりつかっていてこれは流石にその下流では飲めない。がっかりしていたらハイキングで下ってきたひとが、なんか僕に声をかけてくれて、メルシーってお礼した。たぶん、この先で水を汲めるよって言ったんだろうと勝手な理解をして、進んだ。暑いから冷たい水が飲みたい。さっきのエイドで1Lしか補給しなくて、だんだん減ってきていた。良く考えたら3時間もエイドないのに1Lの水はおかしい。サブのフラスクにも水入れとくべきやったやんと後悔した。
進めど進めど汲めそうなところが無い。

暑さと疲労で遅いペースながら進むけど、後ろもこない。前は一人二人、僕より疲労していて遅い選手が見えて、抜かして進む。

めっちゃガシガシ登る感じになってきて、とうとう岩場セクション突入かって時にルートとは別のところから選手がルートに復帰してきている。そっちから沢の音がする。あ、この選手たちは水汲みに寄ったんやなと。ちょっと迷って遠回りやけど僕も汲みに行った。しっかり飲んでボトルにも水を満タンにした。ああ助かったと思った。
ルートに復帰して、ほんまに岩場セクションになってきて、これを登るか~って、眺めて圧倒される。
コツコツ進んでいると前に先を行っていたガタイの良い選手が、水汲めるところで休憩していた。水あるぞ!って僕にも言ってくれて僕も汲んで飲んだ。ここの水はほんまに冷たくてかなり身体が喜んだ。美味かった。いくか~!みたいな感じで進んだ。なぜかここから登りの身体のキレが出てきて、スイスイ行けるようになった。ガタイのいい選手も僕についてこれない。


ここらへんでへばっている選手がちらほら出てきた。座り込んでいる選手にはクラージュ!って声をかける。
登り切ったら、レースの関係者の方っぽい人がいて、40番だぞ!みたいに盛り上げてくれた。
けっこう危ない岩場をトラバースして進む。左手にはまた湖が。めっちゃ雄大や!すごいわ!って、身体が軽いのもあり、なんだか嬉しくなってくる。岩だけの下りを踏み外さないように進んでいく。マーキングを探して、岩場をトラバースしていく。


ちょっと進んだら後ろからまた選手が来た。さっきと違う選手。けっこう速そう。先に行ってもらおうと思ったら、大丈夫そのまま行ってくれって前を譲ってくれた。
岩が多いなあって思いながら慎重に進んでいく。
降りに入って、進んでいたらチェックポイントBocca a Sogliaについた。
予測タイム18時間、到着18:40。ここで40分遅れたことになる。でもレース中は身体が動くようになってきて気持ちは軽かった。
ここからこの選手と次の第10エイドE Grotelle - chez Téoまで一緒に走った。
4kで600m降る。ずっと降りやった。最初は前を走ってくれて、この選手がとてもルート選びが上手くて、1個さきのコースフラッグではなく、2個先が見えていたら、そこへ向けて最短のルートを選んだり、本当にうまいな~って感心しながら走った。チェックポイントからあと2人くらい選手を抜いて、着いてきようとしていたけど、僕ら二人のリズムはよくて直ぐに離れて行った。ずっと後ろだと申し訳ないので、前を変わって、僕も必死にルートを選んで最短を進んだ。今回、altraのking MTを選んだのやけど、ビブラムソールのグリップとラグがしっかりあるのもあり、乾いた岩の上の安定感がほんまに良かった。たぶん、ローンピークやときつかったと思う。
ずっと二人で下って、話もした。僕の英語が下手なので、少しやったけど。経験豊富そうで落ち着いた人やったので、おすすめのレースはありますかと聞いたら、コルシカに住んでる人で、レースはコルシカ島でしか走ったことが無い、でもたくさんコルシカ島にはレースがあるって教えてくれた。年齢は43とか言っていた気がする。もっと言葉が出来れば沢山話したかった。途中、走りながら譲り合う時は、おまえはゲストだから先に行ってくれと譲ってくれたり、とても良い感じの選手でした。とてもペースが上がり、一番楽しく走れた区間やったと思う。

そうこうしていると第10エイド E Grotelle - chez Téo が見えてきた。
さえさんが第7エイドから来てくれていた。エイドの手前で待ってくれていた。



すごいどんどん順位上がってるよって盛り上げてくれる。30位台だよって。

この選手に引っ張ってもらってって伝えた。自分もかなりリズムよく走れて元気がある。
椅子に座って、またコカシルブプレって言ってコーラを2杯か3杯飲んだ。
前に到着した選手もいて、3~4人エイドにいる。


87k地点、予測タイム18:30、到着は19:40。後から考えると、ここの区間は下りのみやったので、仮想距離の計算に高低差をプラスしていなかったことが予測タイムとのずれを生んだのやとわかった。ここでゴールが速くても23時間をこえるんだなって思った。
目標の時間へのゴールはもうほぼ無理やけど、この流れで出来るだけ上げたいと思ったのと、あとゴールまでは一山で残りは下りやったので、もう残りの力を気にせず出来るだけペースを上げようと考えた。
もう夜の7時近くなっていた。さえさん自転車でずっと移動して追いかけてくれて、疲れているのに感謝やなあと思いながら、よっしゃ次行きますってリスタート。
ずっとロードを下って、さえさんが自転車で並走して、ザックからこれから食べなそうな補給食をとってあずかってもらい、登りへ入るところで、次はゴールで!って別れた。

よっしゃ行くぞ~!って身体もかなり軽く、残り20kちょいにしては、パワー残り過ぎかなあとか思いながら、小さいアップダウンも歩かず走る。




Ultra Trail di Corsica④につづく

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