最後のエイドAlzuまで10kで750kアップ。ラスト一山。700mアップくらいなら押し切れるやろう、と考えた。なので、ここで出せるだけだそうと、ぐいぐい進む。
一人、前のエイドで先に出発していた選手に追いついたらスピードが違い過ぎるのか、向こうから避けてくれた。とにかく上げて行こうと進める。最後の一山になかなか入っていかない。かなり進んだ後、やっと山の取りつきに入った。長めのつづら折りが何回も続く。山の上を見上げると稜線が見えないくらいでかなり高い。でも700アップで、しかもアップダウンもあったから、最後まで行かずに途中でトラバースしてゴール地点へ向かうのかなと思っていた。
つづら折りを繰り返し、直登が入る、またつづら折りをくりかえす、直登。
何回も繰り返す。あんな上にマーキングがある、ってことはここに運営の人はつけにきたんやんなあ、大変やのにありがとうございますって思う。やけどもうそろそろやろと。とゆうか、こんだけプッシュしてるのに、前早く出て来いよって思う。
かなり傾斜が急になってきて最後らへんは岩セクションみたいに手も使わないと登れなくなってくる。最後一山って軽く思ってたけど、全然軽くない。(ブログ書きながら高低図みたら2.5kくらいで700アップ。それはきついに決まっているなと思った。。)このペースなら後ろで自分に詰めれる人はいるはずないって思うけどたまにちらっとみる。誰も来る気配がない。
終わったかなって思ったらまだ上にマーキングがあるのが続いて、結局トラバースすることなく、しっかり山頂まで登った。最後らへんは笑えてきた。
頂上に人が一人いて、遠くでブラボーって叫んでくれていた。
かなり嬉しい。登り切った、あとは下りでゴールやなと思う。
日が沈んでいく。ここからラスト、気持ちよく走ってゴールしたいと思う。
稜線の走りやすい平坦なトレイルを進む。
最後のエイドの前で一人歩いていた。ここら辺まで来たら脚が動かなくなる人もいる。
ラストのエイドAlzuを通過。予測タイム20:35、経過タイム22:05、約1時間半の遅れ。
ここから降り基調になった。ゴールまで下りのみ、11k。走れるトレイルなのかなと思っていたら最初はそうやった。
勢いあまってロスト、最後の最後でそれはいかんと来た道を戻ってコースへもどる。
やわらかいトレイルを下る、谷を下っていき、だんだんちょっとゴロゴロした石も出てきて、走るのに気を遣う感じになってきた。だんだん日が暮れて真っ暗になった。さえさんはcorteに来た日にここを逆走するコースをはしって来たって言ってて、とても良い感じだったと聞いていたので、気持ちよく走れるのかなと思っていたら、石がゴロゴロで走りにくくて、しかも谷で夜なので全然景色も無いし、なにも楽しくない。utmbの最後の山みたいに、何回も何回も同じように曲がって下って少し上がって下って曲がってを繰り返す。やっと下り続けたと思ったら結局また同じような繰り返し。これ、もしかしたらロストしてるんとちがうのか??って思って時計を見たらナビゲーションルートからは外れていない。ゴールまでまだ直線距離で3キロ以上ある。11kってこんな長かったか??
最後は山から街へ降りていくので正面は街が広がるはずやけど、全然街の光は見えないし、デッカイ山が正面に見えてるからまだまだゴールではない。川の水の音が消えて、だいぶと移動してきたなあと思うけどまだつかない。
正直、最後のパートは全くいらんやろって、コルシカの美しくてきついコースを最後の最後で台無しにしている、むしろ最後のエイドからどっかトレイルで降りて気持ち良くゴールして街まで後で移動したらええやん、コース設定ミスってるよ、とか、これ最後こんなコースで競ってたら最悪やなあとか、クレームの意見ばっかり頭に出てくる。前も後ろも誰もいなくて真っ暗。もう早く終わりたい。
も~ええっちゅうねん!!!なんやねんこのコース!!!って叫んでしまう。
進んですぐに、遠くコースじゃない方からギターの音が聴こえてきて?アレアレ!!って声が聞こえた。応援してくれている。キャンプ?してるんかな、明かりも何もないけど。さっきの叫び声が聞かれていたら恥ずかしい。。
ちょっと自分が情けなくなり、すこし落ち着きをとりもどして進む。
大きくトラバースするように道がひらけてきて、遠くにライトの明かりが見えた。
進むのがとても遅い、歩いている。選手かな。
しばらくして追いついたら選手やった。もうゴールまで2k切っている。もう少しやし先に行ってよってジェスチャーしたら、先に行けよって。もう走る元気はないみたい。
先を進んだら、山の中やったけど、山から街へ入る柵みたいなのが出てきて、うわ、来たか、って思ったらまだそのままの道が続く。周りはまっくらで思い切りまだ山の中。なんでそんなところにゲートがあったのか、これは幻覚やなあとわかった。たぶん自分に都合の良いものに見えてしまうのだろうと思った。
そのままペースを上げるわけでもなく、下げるわけでもなく、進んでいったら、街の光が見えてきた。やっと来たんやなあと、気持ちがめちゃくちゃ高ぶるとかは無いけど、ゴール出来るなあと思った。
街に入ってきた、スタートして通った道に戻ってきた。街の外れから入っていって、選手を待ってくれている人が少し。ブラボーって行ってくれて、その後なんて言われているか分からなかったけどコースはこっちだぞって言われている気がした。なんでそんなこと考えたのか良く分からないけど、帰りは行きより短いところ通って戻るんだろうと思ってしまって、手前の通りで曲がって入っていって進んだら出口が、レース用に街の通りに置かれているゲートで塞がっていて出れないのが遠目に分かった。引き返して、スタートで通ってきた道やんなやっぱりと、その道を進んで、自分が宿泊していたアパートの近くの通りを降りていく。夜11時近くても店で食事をしている人が多く、ブラボーで言ってくれる。なぜかブラボータケフ~ミって言ってくれた人もいた。livetrailみてたのかな。
そのあとすぐにさえさんが通りで待ってくれていた。たぶん長い間待ってくれていたと思うけど、そんなそぶりは全く見せずにめちゃくちゃ喜んでくれていた。いっしょにcorteのメイン通りに降りてそこからゴールへ向かって走る。
ここは道路の両側にレストランが続いていて、たくさんの人が食事をしていて、ブラボーブラボーって皆が言ってくれた。僕しかランナーはいないからみんな僕に言ってくれている。この日本人やるやないかってとこまで感じてもらうことは出来なかったやろうけど、とても嬉しかった。
さえさんも一緒に走ってくれて一緒にゴールした。
爆発するような感情は全然わかないけど、やっと終わったなあと、完走出来てホッとした。
ゴールしたら、元気なおばちゃんが、おめでとう!どこから来たのか、とか色々しゃべって褒めてくれる。全然言葉わからないのでさえさんになんてゆうてるのって聞いたけどほとんど覚えてないなあ。とりあえず、ゴールで写真を撮ってもらいたいなあと思って写真を撮ってもらった。
さえさんに何位でしたかって聞いたら、20位代まで上がったよと。29位やった。
29位、自分の実力ではたぶんかなりうまく行っても20位代までかなあと後から考えても思う。トップとは約8時間半離れた。そこまで、全然、全然違う、もう想像出来ない違いやなって思った。トップとのタイム差とか、順位がどうとか、色々ランニングや山に対する価値観が変化してきたけど、自分にとっては大事なことであり、モチベーションを生んでくれるもの。やっぱり少しでも強くなりたいし、速くなりたいし、順位を上げたい。なんでかはわからないけど、自然にそう思う。
でも本当に完走出来て良かった。何日か前までふくらはぎに違和感出たらどうしようとか不安に思っていた。でも今回も完走出来たし、気持ちよく不安なく走れた。本当に有難いことやなと思う。
そして今回は本当に一人のレース、旅になるなあと思っていたけど、終わってみれば、レースをサポートしてくれたさえさんがいたので、エイドでサポートしてくれる友達がいるというのは何か一人であるという不安が無くて、心に余裕とか安心があって、ほんとに力をもらったなと思う。異国の地でも友達が一緒にいてくれるのは本当に大きい。友達が自分を待ってくれているというのは、本当に全然違うと思う。本当に感謝の気持ちです、ありがとうございました。
コルシカの山、街、自分が行くことになるなんて去年の今頃は思いもしなかったけど、とても行けて良かったです。山はとても凄くて、街はアットホームな肩ひじはらない感じの街で、人も陽気で良いところでした。
また来年の夏もどこかの海外のレースにチャレンジしたいです。